シャント抵抗器を使用したバッテリーモニタ
バッテリーの電流を計測する方法は多数ありますが、多くがシャント抵抗器を使用した電流計測です。
電流計測したい電線間にこのシャント抵抗器を挿入すると、電流量に応じた微小な電圧がシャント抵抗器の両端に発生します。
この微小電圧を増幅して電流値に換算して電流値を表示します。
これによって表示する場所まで太い電線を使用することなく、細い電線で安全に配線出来ます。
サブバッテリーへの充放電電流をモニターするため従来は大きなシャント抵抗器と呼ばれる部品が必要でした。
キャンピングカーなどでは1mΩ~10mΩ程度の抵抗値が使用されています。
例えば、従来の装置で600Wの電子レンジを12Vサブバッテリーで運転した場合、
サブバッテリーの放電電流は70A程度と予測されます。
このとき、シャント抵抗器自身の電力損失は70A^2 ×1mΩ=4.9Wとなり、大きな熱損失となります。
また、このシャント抵抗器での電圧降下は 70A × 1mΩ = 0.07Vとなり貴重な電圧を失います。
BAT.MANを使用したバッテリーモニタ
BAT.MANは小型な電流センス回路を本体に内蔵しているため配線が簡単になります。
また、測定回路全体が樹脂封止されているため周囲の金属への接触などの事故がありません。
ただし、BAT.MANも接続端子(ボルト)間は銅などの金属である以上、
抵抗は発生しますが低損失部品と製造管理により抵抗値は200μΩ程度となっています。
70A時の熱損失は70A×70A×200μΩ=0.98Wとなりシャント抵抗器に比べ低損失です。
社内試験
BAT.MANは本体内部の高電流パス部分の部品管理や製造において低抵抗を確認しながらの組立および完成検査を行っています。
1mΩ以下の低抵抗の測定は一般的なテスターでは計測不能でありミリオーム計と呼ばれる装置で計測を行っています。
下の写真では端子間の抵抗値(銅板とボルト)0.000139Ω(139μΩ)を表示しています。